耳納連山の 麓にある 木の道具と 喫茶のお店

Wood Products

日々、さまざまな木材に向き合い、うつわから家具までを制作しているJingoro。
日頃はお見せすることのない工房での作業を知ってもらうことで、
木工品製作へのご理解をいただき、
日々の生活に寄り添う木の道具たちを、よりいっそう愛おしく感じていただけたら幸いです。

材への考え
木によってはカスリや節が多くあるものもあります。
それは人と同じで、育った環境によって素直で大人しい木もあれば、個性的な木もあるのです。
それは、それぞれの木が過ごしてきた「記憶=時間」です。
Jingoroは、それぞれの木が持っているかけがえのない大切な時間と個性を、
できるだけ活かした『ものづくり』を行っていきたいと考えています。
1 木取り
2~3年乾燥させた丸太を工房に運び木を選定。そして作るもののサイズに木をカットすることを「木取り」と呼びます。その際、木目を見極め、虫食いの部分や変色した箇所、見た目が悪いと思われる節などを除くようにカットします。残りの材木を他でも利用できるよう考えながら無駄なくカットするため、簡単なようで神経を使う作業の一つです。うつわなどは木取り後すぐに使用しますが、家具は1週間ほど寝かせ木が落ち着いてから次の工程へ進みます。
2 手押しかんな
木工用の木材は、丸太の木を乾燥させ、『板状』に製材したものを使用します。しかし本来、木は円柱形で、層が重なった『年輪』があるため、表と裏では反りがありどうしても平らではありません。そのため「手押しかんな」を使って、片面を平面に削りだす作業を行います。そうすることで、次の工程『自動かんな』をかけられるようになります。
3 自動かんな
うつわなど、作るものの厚みに合わせて木の両面を数ミリずつ何度も何度も削って、木の面を整えていく行程です。削ることで表面を平らにする目的もありますが、乾燥時に雨風で汚れたものも削られ、木の本来の表情が出てきます。また、削る際は、逆目ではなく、ならい目に沿って削ることで、木目の流れが綺麗に削られます。
4 型入れ
作るものそれぞれに治具(じぐ)と呼ばれる木製の型枠があり、その型に合うように再度、木材をカットします。その後、治具へ設置。いよいよこれから削りだしていきます。
5 粗彫り
『ルーター』は、木材の面取り・ホゾつくり・溝切り・切断をする為の木工用電動工具。『荒削り』はルーターに、作るものそれぞれに合わせてオーダーして作った専用のビットと呼ばれる『刃』のついた工具を装着し、まずは粗く彫っていく作業。人気のお盆など、手彫りの作業がない器は、このルーターで最後まで彫っていきます。
6 手彫り
えんぴつで墨付けをし、作るものによって、いくつもの「のみ」を使い分け、のみを金づちで叩きながら少しずつ彫り出していきます。一定の力で彫ることは想像以上に集中力と体力を使います。手彫りのうつわは彫りやすさから、クルミ、山桜の木を使っています。
7 仕上げ
彫り終わったら、紙やすりをかけ表面を整えます。その後、蜜ろうとくるみ油で作ったオリジナルワックスをしっかりと塗り込みます。そうすることで、木の道具は経年変化により綺麗に育っていきます。ワックスをたっぷりと塗り込んだら、乾かしてペーパーをかけます。その後、再度ワックスをかけて、最後にしっかりと拭き取ります。その後、一晩以上乾かし出来上がりです。

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